過保護な彼にひとり占めされています。
『それではお次は……あ、飛び入り参加の方ですね、どうぞー!』
マイク越しの名波さんの声にステージに目を向けた。するとそこには、ステージ上に立つ背の高い見慣れた顔……そう、相葉の姿があった。
……へ?相葉?
あ、相葉!?
なんで、今日休んだんじゃ……っていうか、なんでステージの上に!?
まさか今の『飛び入り参加』って、相葉のこと!?
『お名前とお住まいをお願いしまーす』
驚き目を丸くする私に、名波さんは知っていたのか、にこにこと笑顔のまま相葉へマイクを向けた。
『都内在住の会社員、相葉弘臣です』
『相葉さん!本日叫びたいことは、ずばり?』
『好きな人に告白します』
はっきりとそう言った相葉の言葉に、観客からは「おぉー!」と大きな声が聞こえる。そんな中、相葉は一帯を見渡し私を見つけだすと、しっかりとこちらを見つめた。
こ、告白?
え?いきなり、なんで、そんな、え??
驚き、戸惑う私をよそに、相葉はマイクから離れると、大きく息を吸い込み声を発する。
「っ……村本ー!!」
私を呼ぶ相葉の低い声が、駅前の広場に大きく響く。