過保護な彼にひとり占めされています。



「一花!がんばってるー!?」

「わぁっ!!」



その時、空気を破るようにガチャッと勢いよく開けられたドアと大きな声に、つい驚き声をあげ振り向いた。

するとそこには、ドアから姿を現した名波さんが、コンビニの袋を手にして立っていた。



「ってあれ、相葉もこっちにいたの?ちょうど良かった、これ差し入れ!ふたりで食べて!」



こちらへ近付いた名波さんが差し出した袋を見れば、そこに入っていたのはコンビニで買ってきたやきとり。

味の濃そうなタレのついた焼き鳥に、「わぁ」と顔がほころぶ。



「おいしそ〜!ビールほしい〜!」

「お茶で我慢しろ……っつーか、弁当食ってそれも食ったら太るぞ」

「うるさい」



肉を示すように私の頬をつまむ相葉をじろ、と睨むと、その顔はおかしそうにふっと笑った。

見慣れたはずのその笑顔がなんだかちょっとうれしくて、つられて笑ってしまう。



好きなところが、ありすぎてわからない。

それくらい見つけてくれていたんだ。私の、こと。



そのことが嬉しい。

相葉の言葉は、あたたかい。





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