過保護な彼にひとり占めされています。
「行き先遊園地だぞ?大人の男がひとりでなんて怪しいだろ。誰かと行って意見も聞きたいし……」
「あっ!明日なら理崎さんだって休みだし!」
「おい、俺と理崎さんがふたりで遊園地回る姿想像してみろ」
……いい歳した大人の男が、平日に、ふたりで遊園地……。
それはなんというか、確かに怪しすぎるかもしれない。関係を疑われてしまいそうなその図に、私はついそれ以上反論できなくなってしまった。
「ってわけで頼むな。帰りに飯おごってやるから」
そう丸め込むように言うと、相葉は私の頭をポンポンと撫で、忙しそうにフロアを出て行ってしまう。
「あっ、ちょっと相葉……」
『行くなんて言ってない』、そう言おうとした言葉を聞くことなく去って行くその背の高い後ろ姿に、私はただそれを見ることしかできずにその場に立ち尽くした。