過保護な彼にひとり占めされています。
迎えた翌日、日曜日。
秋晴れの青空に、紅葉の赤茶色が綺麗に映える景色の中、東京の端……多摩にあるとある大きな公園では、本日のイベントである婚活パーティーが行われていた。
「それではまず皆さんそれぞれ気になる方とお話をしていただくトークタイムと致します。この後ペアを作ってゲームも行いますので、よーく相手をお選びくださいね」
男女の距離を近づける簡単なゲームの説明をする井幡さんの前には、敷かれたレジャーシートに座る30代の男女がそれぞれ30名ほど集まっている。
その光景を私は端に立ち、手持ち無沙汰に眺めていた。
パーカーにロールアップしたダメージジーンズといった動きやすさ重視の格好をした今日の私の仕事は、ゲームの準備をしたり、参加者たちの安全を守ること。
名波さんや相葉は男女の間をそれとなく取持ったり、場を和ませたりと、それぞれに合った仕事を担っている。
「それでは、トークタイムスタートです!」
井幡さんの声に参加者たちは一斉に立ち上がり、わいわいとそれぞれ異性と会話を始めた。
「参加者の人たち、楽しそうですね」
通りがかった名波さんに小声で言うと、細身のタイトなデニムにスエード素材のスリッポンを合わせた、カジュアルな装いの彼女はふっと鼻で小さく笑う。