過保護な彼にひとり占めされています。
目が合う度に逃げてちゃダメだって、分かってる。
だけど、相葉の気持ちはからかいなのかなとか、私以外にも相手はいるんじゃないのかなとか、そう思うとなんだか気まずくて。
……ズキ、と胸が小さく傷む。
って、なんで?別にからかいなら笑って流して、もと通りの同期に戻れるし、こんな奴だったんだって呆れて終わるだけ。
傷つく意味が、わからない。
「……なんなんだろ、私」
気にしたり、へこんだり、告白された側でいながらもその一挙一動に揺らいでばかりいる。
考えながら、やってきたのは皆のいる広場から徒歩3分ほど離れた位置にある、広い駐車場。
今日は私たち以外利用者はいないらしく、広々とした駐車場には一部参加者のものであろう数台の車と、うちの社用車である白いワゴン車だけで他にひと気もない。
ゲームで使う道具は確か、ケースに詰めてトランクに置いてあったはず……。
そうワゴン車に近付いたその時、ピピッという音とともに車のライトが点滅し、キーが開けられた。
「わっ!?」
だ、誰かいる!?
驚き振り向くと、私の背後では車のキーを手にした相葉が立っていた。
「あ、相葉!」
「車のキーなしでどうやって開けるつもりだよ」
あ……そういえば、すっかり忘れていた。
名波さんから私が車へ向かったことを聞いて追いかけてきたのだろう。相葉は呆れたように私を見る。