過保護な彼にひとり占めされています。
「……そっけなくして悪かったよ」
小さくつぶやき、背けたままの相葉を下から覗き込む。その頬は、ほんのりと赤い。
「照れてる?」
「そりゃそうだ。こんな自分見せたくねーよ」
見せたくない、そう言って見せてくれるのは、私が『教えて』と言ったから?
いつだって彼はこうやって、まっすぐに向き合ってくれるんだ。
私の、心と。
私は手を伸ばすと、両手で相葉の顔をそっと包む。熱を帯びたその頬に、触れるように。
「……来てくれて、ありがとう」
それは、さっきは素直に言えなかった言葉。
ありがとう、駆けつけてくれて。
ありがとう、気持ちを教えてくれて。
あぁ、やっぱりその存在があたたかい。