過保護な彼にひとり占めされています。
やっぱり
好きだ。
その気持ちを一心に伝えるから、告白の答えを教えて。
『相葉とは、付き合えないよ。……だって、同期としてしか見てないもん』
なんでだよ。
もっと、考えてくれ。答えを決め付けず、俺を見てくれ。
そうじゃなきゃ踏ん切りだってつかない。なら仕方ない、で諦めきれるほど軽いものじゃないんだ。
君を想う、気持ちは。
「……ん、」
ガタン、と揺れた感覚に目を覚ます。
目を開けばそこは人の多い電車内で、自分が通勤途中にドアに寄りかかり寝てしまっていたことに気づいた。
自宅から会社までのたった数駅、その間にもうたた寝をしてうっすらと夢まで見てしまうなんて。
……しかもそれがフラれる夢なんて、最悪だ。
そう心の中でつぶやくと、『渋谷ー、渋谷です』のアナウンスとともに停まった電車から降りた。