過保護な彼にひとり占めされています。
本当に、ほっとけない奴。
けど、そういうところもまた愛しく思えてしまう自分がいて、悔しい。けど、やっぱり好きだ。
「はぁ……安心したら腹減った」
「うん、私も。あっ、そういえば向こうに新しいお店出来たんだよね?行こうよ」
話題が変わった途端けろっとした様子で村本が言うのは、おそらく先ほど俺が行ってみようかと思っていた店だろう。
「いいけど……美味いかまずいか知らねーぞ?」
「いいよ。一緒に行って確認しようよ。まずかったらそれも話のネタってことで」
へへ、と笑って『一緒に』と言ってくれる。たったそれだけのことがとても嬉しくて、この心を明るく照らしてくれるんだ。
まだ、結果の出ない恋。
答えを待つ日々はもどかしくて、時折苦しくてつらくもある。けど、それでも目の前にその笑顔がある。それだけで、嬉しい。
今日もやっぱり、君が愛しい。