Beautiful tears*
「ごちそうさまでした。」
『ごちそうさん!また来ます!』
『あぁ。気をつけて帰れよ?』
カナメについて店を出た時、何やら見つけたようで。
大きく手を振る。
『おーい!蓮!』
その蓮と呼ばれる茶髪の男の人は、ゆっくりとこっちに近づいてくる。
その隣に金髪の男の人を連れて。
『カナメ、こんなとこで何してるの?』
言葉を発したのは、隣にいる金髪の人で。
話し方から、なんだか優しそうな感じがした。
『飯食ってた。そっちは?仕事かなにかか?』
『いや、蓮の付き添い。お父さんに呼ばれたって。』
ただ会話を聞いてると、私の存在に気がついたのか
視線をこっちに向ける金髪の人。
そしてニコッと笑った。
『この子は?』
『あ、そうだ。蓮、昨日言ってた奴。』
何を言ったのよ。
視線を感じ、顔を上げると無言で私を見下ろす茶髪の男。
いや、普通に恐い。
『あー!なるほど。初めまして。僕は相沢 竜二(アイザワ リュウジ)。よろしくね?』
『ほら、蓮も。』
『...上矢 蓮(カミヤ レン)だ。』
この状況的に私も自己紹介しなくてはいけないかんじで。
「南川 麗奈です。」
渋々言ったこの瞬間から、私の運命は変わっていた。
それがまさかこの男達に変えられるとは、この頃の私は思いもしなかった。