Beautiful tears*
~ カミヤ レン side ~
夕方、いつものように倉庫に行くとカナメが何やらテンションが高かった。
気になったリュウジが訳を聞くと、待ってたとばかりに饒舌に話しだしたのは女の話。
いつもの事だから、特に耳を貸さなかったが
"南川 麗奈"
その名前がカナメの口から出た時、耳を傾けずにはいられなかった。
『...会わせろ。』
カナメはやっぱりと言わんばかりの顔で俺を見る。
『同じクラスなんだよ。すごいだろ?』
あぁ。すごいな。
だって、そいつは俺がずっと会いたかった女だから。
別に知り合いなわけじゃない。
一方的に俺が知ってるだけ。
街で噂になっていた。
美人な女が歩いてる。って。
そんなもん探せばいくらでもいるのに、周りの人間が指差す方を見れば
馬鹿げたような言葉も納得せざるを得なかった。