夜中の訪問者
とんとんとん



玄関のほうで、ドアをノックする音が聞こえた。


…そら耳かな?


自慢じゃないけど、夜中に不意に訪れる友人なんていない。

私はかまわずまた本に目を落とした。


とんとんとん


また、音が聞こえた。

…誰だろう?

でも、夜中に訪れるなんて、非常識にもほどがある。


とんとんとん


さすがに、気になって、私はそっとドアに近づいた。


そっと、ドアののぞき穴から外を見る。



…誰も、いない…


いたずら、だろうか。

私はなんだか無性に腹が立って、ベットに戻ろうとした。


でも、そのとき。


とんとんとん


また、音が聞こえた。




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