いつか晴れた日に
「大丈夫?」
心配そうな涼の顔がすぐそこにある。
勢いでキスしてしまった涼の唇が視界に映ると、心臓が飛び出てしまいそうなほど、ドクンと大きく跳ねた。
「怜奈ちゃん?」
「だ、大丈夫。お腹空いちゃって、何を食べるか考えていただけだから」
そう言いながら、そっぽを向くように車道へ視線を走らせた。
こんなことぐらいでドキドキしていたら、この先どうなってしまうのだろう。
そして、わたしは……。
幸せなのに、それと同じぐらい不安になってしまう。
わたしの不安が伝わったのか、涼は大丈夫だよと言うように、わたしの手をギュッと握り締めた。
「俺、怜奈ちゃんが作ったハンバーグが食べたいな」
「わかった」
「あと、ポテトサラダも」
「うん。一緒に作ろうね」
「え?」
「冗談だよ。涼は、ゆっくり休んでて」
笑いながら、前を向いて歩いていく。