いつか晴れた日に
涼はチビタと同じ瞳をしている。

どうして、そんな風に感じるのか、自分でもよくわからないけれど。
これ以上拘わっていると、マズイことになってしまいそうで怖い。

わたしは少しずつ涼を受け入れている。そんな自覚があったから。

部屋の前に着いて、真新しい鍵でそっと中に入る。
居ないよね?いや、居るはずがない。

……あ。

「おかえり。怜奈ちゃん、今日は少し遅かったね」

そこには、満面の笑みを浮かべた涼の姿があった。


う、うそ?どうして、部屋の中にいるの?

「怜奈ちゃん?」

「ど、どうやって部屋に入ったの?」

「だから、俺、魔法使えるって言ったでしょ?」

涼はおたまを片手に持ったままニコリと微笑むと、いそいそとキッチンに戻っていった。


……ま、魔法って、何よ?
やっぱり、ピッキング?

わたしの諭吉二枚分が無駄になったじゃないのっ!

「ちょっと!!」
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