いつか晴れた日に
一度、泊めてしまったのが間違いだった。

溜め息を吐いて、視線を宙に彷徨わせた。

点けっぱなしにしていたテレビが、天気予報を伝えている。
夜半過ぎから、激しい雨だと、ミニスカートの気象予報士が申し訳なさそうに眉を下げた。


「……また、雨なんだって。行くところが無いなら、仕方ないよね」

こんな陳腐な言い訳を見つけて、自分を納得させようとしている。
後悔するのは目に見えているのに。

わたしは、一体何がしたいの?

「怜奈ちゃん、ありがとう」

そう言った涼は、本当に嬉しそうに笑った。


一週間だけ。

絶対にそれ以上は、部屋には入れない。心の中で固く決意して涼を見据える。

「約束して。わたしが嫌がることはしないって」

「うん」

「それから、涼は床で寝てね」

「うん」

「言っておくけど、彼氏じゃないからね?」

「うん。怜奈ちゃん大好き」

「…………」

こうして、狭いワンルームでの奇妙な同居生活が始まってしまった。



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