いつか晴れた日に
3
「……ちゃん」
そっと肩を揺すられた。
「……んっ?」
寝返りを打って、もう一度眠りにつこうとするけれど。
「怜奈ちゃん、朝だよ。そろそろ起きないと遅刻する。トーストも焼けたよ」
そうね、確かにパンが焼けた香ばしい匂いがしてる。
ああ、美味しそう。
トーストにはマーマレードを塗るのが好きなんだけど、生憎切らしていたっけ。
……って、あれ?
薄っすらと目を開けると、そこには涼のドアップが。
「ひっ!?」
「おはよう」
涼はニッコリと満面の笑みを浮かべている。
「お、おはよう」
そうだった。昨夜も涼を泊めたんだった。
「お弁当、出来てるよ。顔を洗っておいで」
「うん。ありがとう」
冷たい水で顔をバシャバシャと洗う。少しクリアになった頭で考えるけれど。
やっぱり、これはマズイんじゃないの?