いつか晴れた日に
『そうじゃなくて』
「え?」
『仕事何時に終わりそう?何か予定ある?』
「あ、あの……」
もしかして、デートに誘われているの?
『今日、飲みたい気分なんだよね。だから、よかったら付き合ってもらえないかなと思って。モチロン、無理にとは言わないけど』
正直に言えば、誘われたことは凄く嬉しい。
だけど、この前のキスの真意もわからないのに、二人きりで会ったりしていいの?
「どうする?」
「……い、行きます」
試すような池永さんの言葉に一瞬迷ったものの、つい行くと答えてしまった。
内線を切って顔を上げると、また池永さんと目が合った。
ドキドキと心臓が激しく打ち鳴らしていく。
池永さんは、そんなわたしに目配せをして、ホワイトボードに行き先を書き込み、営業へと出て行った。
「怜奈、どうしたの?顔赤いけど、大丈夫?」
「んっ?」
亜紀に声を掛けられて、驚きのあまり変な声が出てしまった。
今のやり取り、バレてないよね?
「だ、大丈夫。何でもないよ」
「そう?」
「う、うん」
「じゃ、今日は何処に行く?」