いつか晴れた日に
今日は何を作ってくれるの?

疲れたから、どこかで食べて帰ろうと言ったじゃない。
まったく、要領が悪いんだから。

……涼のバカ。

「早く帰ってきてよ」

だけど、何時間待っても、涼は帰ってこなかった。

部屋を見回すと、涼がいつも使っていたトートバッグも、今日一緒に遊んだバドミントンも、涼を連想させるものは跡形も無く消えていた。


夢じゃない。

涼は、わたしの前からいなくなってしまった。

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