いつか晴れた日に
涼が姿を消してから、二週間が過ぎた。
もう涼は戻ってこないと何度も自分に言い聞かせて、漸く気分も落ち着いてきたように思う。
少し痩せたせいで「どこか悪いんじゃないの?」と亜紀は心配していたけれど、笑顔で「大丈夫」と言っていたら、次第に何も言わなくなった。
ごめんね。
亜紀に隠し事をしているみたいで、後ろめたいけど、本当のことを話しても信じてもらえないと思うから。
池永さんからは、何度か食事に誘われたけれど、理由をつけて断っていたら、そのうち誘われなくなった。
ホッとした反面、やっぱりねと、少しだけがっかりしてしまう。
池永さんは、わたしのことを好きだったわけじゃない。きっと、ただの気紛れだったんだ。
「怜奈、このデータ入力終わった?」
話し掛けられて、手元の書類から顔を上げる。
「ううん。まだ。請求書のチェックが終わってからと思って、後回しにしてたから」
わたしのパソコンの横には、データ入力の束が手付かずのまま残っていた。
「じゃ、これもらうよ」
「亜紀の仕事は大丈夫なの?」
「うん。間に合わなかったら残業してもいいし。たまには怜奈も定時で帰りなよ」
「ありがとう」
お礼を言って、その束の半分を亜紀に渡す。
最近の亜紀は、ハツラツとしている。何か良いことでもあったのかな?
週末の飲み会はずっとパスしていたけれど、今週末行けるようなら、そこでゆっくり話を聞いてみよう。
もう涼は戻ってこないと何度も自分に言い聞かせて、漸く気分も落ち着いてきたように思う。
少し痩せたせいで「どこか悪いんじゃないの?」と亜紀は心配していたけれど、笑顔で「大丈夫」と言っていたら、次第に何も言わなくなった。
ごめんね。
亜紀に隠し事をしているみたいで、後ろめたいけど、本当のことを話しても信じてもらえないと思うから。
池永さんからは、何度か食事に誘われたけれど、理由をつけて断っていたら、そのうち誘われなくなった。
ホッとした反面、やっぱりねと、少しだけがっかりしてしまう。
池永さんは、わたしのことを好きだったわけじゃない。きっと、ただの気紛れだったんだ。
「怜奈、このデータ入力終わった?」
話し掛けられて、手元の書類から顔を上げる。
「ううん。まだ。請求書のチェックが終わってからと思って、後回しにしてたから」
わたしのパソコンの横には、データ入力の束が手付かずのまま残っていた。
「じゃ、これもらうよ」
「亜紀の仕事は大丈夫なの?」
「うん。間に合わなかったら残業してもいいし。たまには怜奈も定時で帰りなよ」
「ありがとう」
お礼を言って、その束の半分を亜紀に渡す。
最近の亜紀は、ハツラツとしている。何か良いことでもあったのかな?
週末の飲み会はずっとパスしていたけれど、今週末行けるようなら、そこでゆっくり話を聞いてみよう。