いつか晴れた日に
 
どうしてなんだろう。

どうして、こうなるのだろう?

わたしは、亜紀に辛い思いをして欲しくなかっただけなのに。


涼も消えてしまって、唯一の友達もいなくなった。

わたしは、また一人ぼっちだ。


非常階段に座り込んで、少しだけ泣いた。

泣いても何も変わらないとわかっているのに、空元気も出なかった。


どれぐらいそうしていただろう。

冷たい階段にずっと座っていると、腰が痛くなってしまった。

ここにいたってしょうがない。
早く家に帰って、横になろう。

ゆっくり休めば、気持ちも落ち着くかもしれない。

のろのろと立ち上がり、事務所に戻ってデスクを片付けた。

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