いつか晴れた日に
 

亜紀との仲が拗れてから、一週間が過ぎた。

相変わらず、必要最低限の言葉しか交わしていない。

話しかけてもムッとされるので、わたしから話しかけるのは止めてしまった。
連絡事項は社内メールかメモ。

緊急で交わす言葉は単語のみ……。

はぁ。
気がつけば、溜め息ばかりを吐いている。

数日前に派遣会社の担当さんに辞めたいと相談すると、なんだかんだと理由をつけて、契約満了まで頑張って欲しいと丸め込まれてしまった。

だけどやっぱり、どう考えても一緒に働くのは無理だと思う。


……辛いな。

こんなとき、涼が傍にいてくれたらいいのに。

涼に逢いたい。涼の声が聞きたい。

……あ、ダメ。涼のことを考えると涙が出てしまう。


事務所で泣くなんて、社会人として失格だ。ハンカチを握り締めると、慌てて洗面所に駆け込んだ。
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