いつか晴れた日に
一人でも、わたしは大丈夫。
深呼吸して気持ちを落ち着かせると、洗面所を出て事務所に向かった。
「安西さん」
「はい」
事務所に戻った途端、美香さんに呼ばれた。
「ちょっといいかしら?」
美香さんに小会議室に入るように促され、その後に続いた。
もしかして、クビとか言われるのかな?
わたしと亜紀が上手くいっていないことに美香さんも気付いているだろうし。
この状況じゃ、そうなっても仕方がないよね……。
「どこでもいいから、座って?」
「あ、はい」
返事をして、美香さんの手前の席に腰を下ろす。
「あのね、安西さん」
そこで、美香さんが思わせぶりに言葉を区切るから、やっぱりクビと言われるんだろうと身構えた。
けれど
美香さんが発した言葉は、わたしが想像していたものと真逆のものだった。