いつか晴れた日に
「来週から一人、わたし達の部署に配属になるの。そこで、当面の間、安西さんに指導してもらえないかと思って」
「そんな、指導なんて出来ません」
驚くわたしに、美香さんがニコリと微笑む。
「難しく考えないで。安西さんの仕事を教えるだけでいいのよ」
それって、クビってことだよね。
「……引継ぎ、ですか?」
「違うわ。本当はわたしがするべきなんだけど、来週は課長が出張だから、そこまで手が回らないの」
それから、と美香さんは言葉を続ける。
「富永さんと何があったかは知らないけど、仕事に支障が出ないようにお願いするわね?」
念を押すような美香さんに言葉が詰る。
わたしだって、亜紀との関係を修復したいと思っているけれど、どうすればいいのかわからないのだ。
給湯室でマグカップを洗いながら、ふぅと大きく息を吐いた。
亜紀とのことは、時間が解決してくれるような問題じゃない。
誤解を解かない限りきっと無理だと思う。だけど、どうやって?
考えても答えは出ない。出るのは溜め息ばかりだ。
「安西さん、ちょっといいかな?」
「え?はい」
声を掛けられて振り向くと、そこには池永さんが立っていた。