いつか晴れた日に
目が合うと、涼はニコリと微笑んだ。
けれど、その表情はわたしが知っている涼のものではなかった。


「あ……」

胸の奥がザワザワする。この嫌な感じは何だろう。


「安西さん」

美香さんに、名前を呼ばれてハッとする。いつの間にか、朝礼も終わっていたみたいだ。


「こちら二人がアシスタントの安西さんと富永さん、わからないことがあれば遠慮なく彼女たちに訊いてね」

「安西です」

「富永です」

席を立って、それぞれ挨拶を交わした。


「黒崎です。宜しくお願いします」

涼は朝礼と同じように軽く頭を下げる。


「じゃ、数日間は安西さんに教育係をしてもらうから」
美香さんが自分の席に戻ると、亜紀も席に座り直して仕事を始めた。

二人でその場に取り残されて、立ち尽くしてしまう。

やっぱり何かが可笑しい。


「あの、座ってもいいですか?」

「え?あ、はい。どうぞ」

慌てて空いている席から、椅子を持ってきて座ってもらうけれど。
まるで他人行儀の涼に戸惑ってしまう。

「安西さん?何か?」

「い、いえ、何も。システムの説明から……」

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