世界が終わる瞬間
「お、おい‥‥‥。嘘‥‥だろ‥‥‥?」
私は、流れだした内容を見て絶句した。
「うそ‥‥」
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―――――‥‥
「おい、姉ちゃん! ちょっと待ってよー!」
「もー、早く来ないとおいてくよー?」
そう言いながら弟の歩は、
飼い犬であるラッキーを連れて走ってきた。
「もー、一人で先に行きすぎだよー」
歩がそう言うと、それに便乗したように
ラッキーも一緒にワンワンッと吠えた。
「あんたが、リードつけるの遅いからでしょ」
私がそう言うと、歩は口を尖らせた。
「チェッ、姉ちゃんは何もしないくせに」
「うるさい」
そんなふうに、軽い言い合いをしていると、
やっと歩が私に追いついてきた。
姉弟でのんびりと
ラッキーの散歩をしていた時、
急に歩が、ピタリと止まって、
どこかを見ていた。