世界が終わる瞬間
第二章

声のままに



ビルにあるスクリーンが、

ラジオの内容と同じ事を告げている。


アナウンサーの目にも、

涙が一杯に溜まっている。


人々は挙ってスクリーンを眺めている。

みんな反応は様々である。


呆然としている人。

涙を流している人。

怒鳴り声を上げている人‥‥‥。


車道の方も、かなり混乱しているようだ。

さっきから道路上で、

クラクションの大合唱が、行われている。


交差点も、かなり大渋滞だ。


今、この世界のすべての生命が

混乱しているのだろう。

鳥達もどこかへ逃げようと、

その羽根を羽ばたかせていた。


どこかからは、犬の鳴き声が聞こえてくるし、

すぐそこの草むらからは、

猫の鳴き声が聞こえてくる。


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