【アイノウタ】


ちょ……っ
これ現実!?


あたしの戸惑いなんて気づく様子も無くハルは

「うーん、やっぱ熱いなぁ」

と、自分のおでことあたしのおでこを交互に触る。



だんだんなんとなく現実っぽい気がしてくると同時に、目の前にハルが居てあたしに触れてる事に更に戸惑う。


だってハルがっ
あのハルがあたしの目の前に居て触れっ……触れてっ……



あまりにも突然にハルが身近に居る現実を前に正気でいられる訳がない。



……鼻血出てないかしら……


いやもうこの際鼻血出ててもいいから、出来る事なら今こそ気を失ってしまいたい……。



こんな近くに居て触れられていては身が持たない。

ここは現状打破だ!!

「昼!お昼食べよっ!ね!昼っ」


しどろもどろで切り出したけど、

「まだ寝てたほうが良いですよー」

って、又寝かされる。


近いよっ
顔が近いっ!



本当に鼻血が出そうなほど一人で興奮してると、少し開けてあった窓から風がフワッと入り、ハルの髪が揺れてシャンプーの香りがした。

と、同時にハルの真後ろのカレンダーが捲れて

『お気に入り』

の一枚が見え隠れしてる。



ヤ、ヤバイッ!!


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