【アイノウタ】
「モモ、おへやでお絵かきしてくるー」
モモがそう言うと二階へと行ってしまった。
リビングには三人掛けのと二人掛けのソファーを『くの字』に置いてある。
あたしは昼食の片付けを終えて、三人掛けのソファーに腰を沈めた。
そこへ何やらニコニコと機嫌良く、ペットボトルの水を飲みながら鼻唄混じりのハルが近寄ってきて、あたしの隣に座った。
近いっ!!
もう一つソファーあるのになぜ隣に座るかなっ!?
あたしは少し距離を空けるように横にズレた。
「んふふふ〜 夏希さんっ」
「な、なに
なんか機嫌良くない?」
「そりゃそうですよー。
大好きって言われたし」
ヤバイっその話振る!?
「あ……あれはっ!……あ、そう、ドラマとか色んな番組とかで観てたし、好きか嫌いかって言えば好きってだけだからっ」
ハルはニヤッと笑って
「そんなの分かってますよー。
これから一緒に三ヶ月暮らす人に好きって言われたらやっぱ嬉しいし」
あ、そういう事ね。
「でも、全国には春海君の事大好きって女の子が沢山いて、いつもキャーキャー言われてるんじゃないの?」
あたしもその一人だけど。
「好きって言われ慣れてるんじゃないの?」