【アイノウタ】


「ありがたい事に、それはそうなんだけど、それはそれですよ。
俺のやってる仕事って、ファンの方達が居ないと成り立たないしメシも食えない。

けど一人一人と向き合う事は出来ないし、一人を特別扱いする訳にもいかない。
だからファンって近くて遠いんです。

でも夏希さんは違うじゃないですか?
優ちゃんの親友だし……あ、俺、叔母の事優ちゃんって呼んでんですけどね、で、なんだっけ?

あ、そうそう、夏希さんは身近な存在でしょ?
今日から一緒に住まわせてもらうしね!」


……なるほど。
なんか、しっかりしてるなぁ……

「あ、でも昨日までは春海君はあたしを知らないし、例えばあたしが春海君のファンだったら……昨日までは春海君が言った特別じゃないファンの一人な訳だよね?」


追及してどうする。



「それも違ーう!」

おっ
堂々と言い切った!


「なぜなら俺は夏希さんの事を知ってたからで〜す」


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