【アイノウタ】


「うちと優ちゃんの家が近いから、しょっちゅう学校の帰りとかに遊びに行ってたんですよ。

で、色んな写真を……うん、それはそれは色んな写真を見せてもらって、ふふっ……優ちゃんから夏希さんの色んな話もいっぱい訊いてたんですよ」



……優香が持ってる写真はあたしも持ってる……となると恐ろしい。

あの変な写真も見られてたのか……ふふって笑ったよね?


しかもどんな話訊いたんだか……色々恐ろしい。



あたしの得体の知れない不安をよそにハルは続けた。


「初めて会ったのに、初めて会った気がしないぐらい俺は夏希さんの事知ってたんですよ。

それにずっと会ってみたかった。
どんな人なのか、生身の夏希さんに会ってみたくて……

だから夏希さんは特別なんですよ。
そういう意味でも夏希さんに『好き』って言われたら、マジ嬉しいっす!」


特別……?

そんな風に言われて嬉しいのはあたしの方だよ……

ずっと大好きで会ってみたい、そんな日が来たら……って夢見て頑張ってこれたんだもん。



うっ
なんだか泣けてきそう……



「ハルーっ モモお絵かきしたのー!みてみてーっ」


突然のモモの登場に、今にも溢れそうになってた涙は溢れずに済んだ。


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