【アイノウタ】
「おっ!? モモちゃんどんな絵を描いたの?」
モモが得意げに絵をハルに見せる。
あたしも「どれどれ?」と覗き込む。
「あのねー、これがハルでぇー、これがママでぇー、まんなかのがモモ!」
クレヨンで描かれたその絵は、三人で手を繋いでる丸っこくて可愛い絵。
「へぇー!上手だねえモモちゃん!」
ハルがモモの頭を優しく撫でて、
「なんかさぁ、この絵、家族みたいだね」
ってハルっ
そういうニヤけてしまうような事迂闊に言わないでよっ
「ハルにあげる!」
モモがハルに絵を……てか、モモちょっと待て!
「モモ! 『ハル』じゃなく春海君とかお兄ちゃんとか、なんか呼び方ないわけ?
失礼だよ!」
ハルの手前、今更ながら一応軽く叱ってはみたものの、
「えーっ!ハルはハルだよぉ!
だってママだってずっとハルの事ハ……」
速攻モモの口を押さえるあたし。
危ないっ
普段からハルって呼んで浮かれてる自分をバラされるところだったよ。
「俺は全然構わないですよー!
モモちゃん、ハルって呼んでいいからね?」
「やったぁ!ハルだぁいすきぃ!」
あたしも大好きぃ!
て、そうじゃなくてっ