【アイノウタ】


すっかり陽も傾き、夕飯の支度を始めた。


さっきモモと買い物に出る頃からハルは部屋に篭りっきりみたい。


買い物に行く前に

「俺は部屋の片付けとかしてますね」

って言ってたし。



モモと二人、密かに今夜ハルの歓迎会をしようって食材を沢山買い込んで来た。

喜んでくれるといいんだけどな。





調理も中盤に差し掛かったところで、

「う〜ん、いい匂い〜」

振り向くと汗だくのハルが。


「どうしたの!? そんな汗かいてー!?」

汗かいてても美しい。

汗をキラキラさせながら笑顔を見せるハルに、つい見とれそうになる。



「夕飯の前にシャワーしてきたら?」

と、シャワーを勧めた。


「うん、いやぁー、片付け終えて筋トレしてたら汗かいちゃった。
じゃ、シャワーしてきまーす!」


後ろを向いて顔の横で手をひらひら振りバスルームに向かうハルの背中に、

「あ、洗濯物は脱衣所のカゴの中に入れといてねーっ!
明日洗うからー」


そう叫ぶと、クルッと踵を返して戻ってきた。



「あのー、洗濯までしてくれるんですか?
……やっぱパンツも……だよね?」




< 22 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop