【アイノウタ】
突然の後ろからハルの声に「ひっ!」と飛び上がり、咄嗟に
「えっと……かっ 唐揚げ」
菜箸に唐揚げを摘んだまま振り向返り、あたしは固まった。
「あれぇー ママそんなにからあげ好きだったっけぇー??」
疑い気味のモモと
「へぇー、なっちゃんそんなに好きなんだぁ?唐揚げ」
って濡れた髪をタオルで拭きながら、スウェットのパンツに上半身裸の超セクシーハル……
ヤバイっ
鍛えられた厚い胸板に目が釘づけになったまま、目をそらす事が出来ない。
「俺も唐揚げは大好物なんだー……って、なっちゃん??」
あたしの視線と自分の胸を交互に見て
「あ、すいません……この格好マズかった……?
汗が引かなくて」
ハッと我に返って
「いやいやいや、良い良い良いっ」
パニック。
「あの〜 イヤとか良いとか、意味分かんないんですけど……」
困った顔も良いぞチクショー!
……いかん、あたしが変態化していく。
「あ、ちょっとびっくりしただけ!
気にしないで好きな格好でいてくれて良いからぁ」
ふぅ
まともな事が言えた。
「マジで? じゃあパンイチになろうかなー」