【アイノウタ】

「なっ なに言ってんの!
ほら!食べるよ!二人共座って!」

焦りながら仁王立ちでダイニングテーブルを指差した。


出来上がった料理を次々運ぶと、

「わーっ!」

と二人から歓声が上がる。


「すっげっ!豪華だしチョー美味そう!
えっ!?なんでか俺の好きなもんばっかだー!」


喜びながらも不思議そうなハルに

「ふふ〜ん」

と怪しげに笑うあたし。



だってあたしハルの大ファンだよ?

当然ハルの好みは知ってるあたしにゃ、ハルの好きなもん作る事なんて朝飯前よう。


不敵な笑みを浮かべるあたしをよそにモモが

「きょうはハルのかんげい会だよ!」

と満面の笑みで言ってる。


それを聞いたハル

「ホントー!?
まさかこんなにしてくれるなんて……」

微かに目を潤ませて感激してくれてるみたい。




そして食欲旺盛なハル、いつもよりご馳走だったからテンション上がっていっぱい食べたモモのお陰で、沢山あった料理もあっという間に綺麗に無くなった。



夜モモとシャワーを済ませてモモの髪を乾かしてると、

「ママぁ ねむくなってきたぁ〜」

とモモが目を擦ってる。


急いで髪を乾かし、

「じゃ、モモを寝かせてくるね!」

と、慌ただしくモモを寝かせた後リビングに戻ると……タンクトップ姿のハルがケータイを触ってる。


なんだろ?メール?かな?

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