【アイノウタ】
「うん、あのね、なっちゃんはメイクしてると『綺麗』なんですよ。
で、素顔がまるで歳下に見えるの。
これは冗談じゃないですからね」
素顔が幼いとは昔からよく言われてたけど……
「でも歳下ってのは大袈裟でしょ……」
と言ったあたしの言葉はすぐに却下され、
「いーや! 確かに歳下ってのは返って失礼かも?
でもホント可愛いです」
こんな事言われるなんて……溶けそう。
もう溶けてるかもしれない。
なんかさっき誤魔化したあたしが逆にみっともない気さえしてくる。
又ビールをゴクゴク飲んで、思い切って
「あのっ あたしさっき本当はハルに見とれてたの。
えーっと、正直言うと今日何度ハルに見とれてたか分かんないぐらいなんだけど……
やっぱハルは若くて綺麗でホントは……」
「ホントは?」
ハルの目がイタズラに熱く見えて……余計な事まで言ってしまいそう……
ダメダメダメ!
止まれあたし!!
「ホントは……」