【アイノウタ】
「ホントは……
あっ! そうそう!
優香の甥がまさかハルだなんて知らなくてびっくりしてるの!」
よし、上手いぞ。
はぁー……もうドキドキ……
「なーんだ、そんな事?
モモちゃんから聞きました。
ハルが来るってママもモモも知らなかったんだよ〜って。
優ちゃんの事だからうっかり忘れてたんだろうけど……あっ そだ、電話してみよっかな」
と、ハルがケータイの画面をタッチしてる。
「あ、もしもし優ちゃん?
うん、朝着いた。
なっちゃん、噂通り良い人だよー
紹介してくれてありがと!
うん、なっちゃんに代わるね」
そう言ってあたしにケータイを渡す。
わぁ……ハルのケータイだ……
「あ、えっと優香?
なんで言ってくんなかったのよ!
甥がハルだって事!
お陰でびっくりしたわよー。
え?何言ってんの!?
んな事する訳ないでしょ!!
じゃ、代わるね!」
又ケータイをハルに渡す。
んもう、優香ったら何言い出すのよ全く……
「なになに? えっ?
あはははは! そうなのー?
あ、でも俺が襲ったりして……あははははーっ
じゃね!又電話する」
……ハルと優香の話の内容は想像つくわ。
「あー可笑しいっ
あれ? なっちゃん顔赤いよ?
あ、今の話かぁ〜
あはははっ」
あははは……じゃないわよっ
さり気なくハルから遠ざかってみる。
「あ、なっちゃん警戒してる?
心配しなくても、んな急に襲ったりしないってー!」