【アイノウタ】


「なっちゃん、顔怖いし……」

「怖いって!
てか……べっ 別に怒ってないしっ」

「怒ってますよ……」

「怒ってませんーーっ!」

「ほら怒ってんじゃん!」

「ハルが変な事ばっか言うからでしょ!」

「だってホントの事言っただけだし!
可愛くて見とれてたってのがそんなダメな事だってのー!?」



「……だから……そういうのが……」

「あ、照れてる?」


なんか恥ずかしくなってきてうつむくあたしを見て、ハルが「ぷっ」と吹き出した。

「怒ってたと思ったら急に照れて……ははっ
なんも言えないわっ」

楽しそうに笑ってる。


なんか上手く誤魔化されて負けた気がして悔しいかも。

なんか一発言ってやろうと言葉を探してると、先にハルが

「あ、まだあった言いたい事!」

「なによ……」

「なっちゃん、怒った顔も可愛いっ」



はぁーーーっ
負けた……もうっ

「はいはいはい、ありがとね。
ハルみたいに若くて超カッコよくて魅力的な男性にそんな事言われちゃ、嘘でも嬉しいよ。
貴重な体験をありがとね」

うんうん、最初からこうやって流しておけば良かったよ。



「じゃ、そろそろ寝よっかな」

色々刺激が多すぎて疲れたわ。


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