一途な恋
××病院。501号室…

コンコン…

病室から返事が聞こえ、
私は深く深呼吸をして入った…

カ~くんは寝ていた

カ~くんの隣には、おばさんが居た

楓母「椿ちゃん…」

おばさんの目は赤く腫れていた

椿「カ~くんは…カ~くんは大丈夫なんですか!?」

楓母「身体はどこも異常なしだって…だけどね、頭の打ち所が悪くて…」

椿「意識はあるんですよね…?」

楓母「意識は大丈夫。でもね…脳に障害が残るかもしれないって…」

脳に障害…?

楓母「記憶喪失…」

記憶喪失…?

私の頭の中は真っ白になった…

『母さん…?その人…誰?』

カ~くんは目を覚ました

楓母「楓の彼女の椿ちゃんよ。」

『彼女…?思い出せねぇ…』

楓母「椿ちゃん、ごめんね…」

椿「いえ…大丈夫です」

全然大丈夫じゃない…
大好きな人に忘れられて大丈夫な訳ない

私の目からは自然と涙が流れていた

椿「私…そろそろ帰ります」

楓母「今日はありがとね…もし良かったら、毎日来てあげてね?少しずつ記憶が戻るかもしれないから…」

私はその言葉に半信半疑だった。

もちろん、カ~くんの記憶が戻って前みたいに幸せな毎日を送れたら…
でも、現実はそんなに甘くない…

椿「はい…失礼します」


カ~くんが引っ越して離ればなれになって5年後にまた会えて…
ずっと一緒に幸せな日々を送れると思ってた。

だけど…

“ずっと”なんてない…

いつかは終わってしまうんだ…



神様から私たちへの試練…

どうしていつも辛く切なく苦しいの?

神様は私たちにいじわるだ…
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