一途な恋
嫌な予感…

《ごめん。急用が出来て今日は会えない…。また今度な!》

急用…って何?

聞きたくても聞けない…

私は〈わかった!また今度ね‼〉と明るく返信した。


その日から、カ~くんは私の誘いを断り続けた…
さすがにしびれを切らした私は放課後にカ~くんを屋上に呼び出した。

「カ~くん…最近どうして断ってばかりなの…?何かあった?」

『…別に。』

冷たい…

「私のこと、嫌いになった…?重くなった…?」

今にも涙が溢れだしそうだった。

『そうじゃないけど…』

「じゃあ…どうして…?」

黙りこむカ~くん。
心の距離を感じる…

「チョコ…捨てちゃったよ…?」

カ~くんは私の言葉に目を見開き、一瞬驚いた顔をしたあと、哀しい顔で俯いた…

『そっか…ごめんな…』

謝らないでよ…
怒ってよ…食べ物を粗末にしちゃダメだって、食べたかったのにって…

『椿…しばらくの間会えない。』

会えない…?
どうして…?
また引っ越しちゃうの?

会えないなんて…

嫌だよ…離れたくない

「嫌…だよ…」

私は声を振り絞った…

『ごめんな…』

そう呟き、背を向け歩き出すカ~くん。

止めないと…

今度こそ、
本当に会えなくなっちゃいそうで…
どこか遠くに離れちゃいそうで…

そんなの…絶対に嫌っ!

だけど、私の足は動かなかった…



あの時、カ~くんに
行かないで…
ずっと一緒に居て…
って引き止めていたら、少しでも長くカ~くんの隣に居れたのかな…?
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