一途な恋
「ねぇ…ずっと一緒だよねぇ…?」

『ごめん…もぅ無理なんだ…』

「どうして…?諦めるなんて、らしくないよ…!」

カ~くんはどんな困難にも負けないくらい前向きだった…

なのに…

今のカ~くんはちょっとしたことで押し潰されそうなくらい弱々しい…

『椿…おいで…?』

痩せ細った長い手を広げるカ~くん…
無理に笑って見せる

そんな顔しないで…

このハグが最後みたい…

私は涙でぐしゃぐしゃになった顔をカ~くんの胸に押し付けた…

ドクンッ…ドクンッ…

カ~くんの心臓の音。
元気に動いてるよ…?

『俺…椿のこと…すっげぇ好き。昔も今も…これからも…この気持ちは変わらない。だから、お願い…最後は笑顔で見送って…?椿の笑顔が見たい。』

そう言って私を抱き締める力を強めるけど、なんだか力がないみたい…

「嫌だよ…だって…だって、ずっと一緒に居るもん…!最後なんかじゃない…‼」

カ~くんは私の頭をクシャクシャっと撫でて、ふんわりと優しく哀しそうな目で微笑んでいた…

『椿…俺のわがまま聞いて…?お願い』

私は涙を流しながら頷いた

その瞬間…

ゴホッ…ゴホッ…

カ~くんは手で口を覆った。
その手には大量の血がついていた…

「カ~くん…!?」

『わりぃ…先生…呼んでくれるか…?』

私は一目散にナースステーションに走って、大声で叫んだ…

「カ~くんがっ…カ~くんが…‼」
< 22 / 24 >

この作品をシェア

pagetop