1人ぼっちと1匹オオカミ(下)

 その後はいつも通り大人組は飲んで食べての大騒ぎ。

 智希と望亜はプレゼントを抱いて寝ちゃったのでお父さんがベッドに運んでいました。

 あ、もちろんお母さんは飲んでませんよ。そして紅葉さんも飲んでいませんでした。

「紅葉さん飲まないんですか?」

「ん?よも、聞いちゃう?」

「え?…まさか!」

 っはと口を両手で覆う。紅葉さんは笑みを浮かべて自分のお腹を優しく撫でていました。

「おめでとうございます!」

「ありがと。でも、安定期に入ってないから、颯人にはまだ内緒ね」

 口元に人差し指を当ててウインクした紅葉さんにお母さんも笑っていました。

 どうやらお母さんたちの秘密に入れてもらえたみたいです。
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