1人ぼっちと1匹オオカミ(下)

「晴野、交代…」

「え、神野くんどうしたんですか!?」

 さっきまで元気だったのになぜか顔が赤くてふらふらしています。
 慌てて支えるとほんのり体温が高いような気もします。

「なんだなんだ、秋空よえぇなぁ」

「…飲ましたんですか!?」

 げらげらと笑う俊也さんに悪気はないですね。神野くんは額に手を当ててぼんやりとしています。

「何飲ませたんですか!!」

「ん、これ」

「…なんでウォッカがあるんですか!!」

 もう意味不明です。というより、俊也さんは完全に出来上がっていますね。

 神野くんを俊也さんに近づけるんじゃなかった…。

「神野くん、大丈夫ですか」

「ん…ん…?」

 肩を揺さぶると潤んだ瞳で見上げられちゃいました。

 なんででしょうか。かわいいです…。

 じゃなくて!!神野くん酔ってます。
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