1人ぼっちと1匹オオカミ(下)
6.繋がり

別れ


 遠くで何かの音がする…。

 目を覚ますと、目の前に神野くんがいて文字通り飛び起きました。

 あ、昨日あのまま寝ちゃったんですね。周りを見ればお父さんもお母さんも紅葉さんも、剣人さんも颯人さんも雑魚寝していました。そして、いつも通り屍となった方が1人。

 昨日決して離れなかった神野くんの手は床に投げ出されていて、何となく頭を撫でると微笑んだ神野くんにまた顔が熱くなりました。

 あれ、そう言えば何か聞こえていたような…と考えているとちょうどそこにチャイムの音。ドアを叩くような音も聞こえる。

 今は朝の10時。誰でしょうか…。

 あ、昨日の服のままでくしゃくしゃ…。

 でも、それを構っていられないくらいやって来た人は絶え間なく玄関を叩くかチャイムを押しています。

 諦めの悪い人のようです。
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