1人ぼっちと1匹オオカミ(下)
どうしよう。これ中入っていいんだろうか…。
そう思っていると、すぐに清牙さんが飛んできて、眠り込んでいる晴野を見ると、さっと顔色を変える。
「秋空くん、とにかく中に」
「すみません。お邪魔します」
すぐに晴野を抱きかかえると、清牙さんはリビングに入って行く。
その後をだいぶ遅れてついて行くと、晴野はソファに寝かされていて、桃さんが怪我のない様子にほっと息を吐いているところだった。
「何があったんだい?」
「…晴野を探している人がいます」
それだけで、何かを察したのか、清牙さんのまとう雰囲気が張り詰めたものになる。
桃さんも、肩を揺らし、動揺していた。