１人ぼっちと１匹オオカミ(下)

救出

「ッう…」

「ん？気持ち悪いの？」

　監禁されてから何日目でしょうか…。

　私の隣に座る人はあの日以来欠かすことなく毎日来てご飯を食べさせて、行為を済ませると帰っていく日々が続いていました。

　ダメもとで外に出たいと言ったこともありましたが、もちろん返事はダメのひと言です。

　でも、妊娠してることが分かったら連れて行ってくれると悪魔のような言葉を吐いたので思いっきり指を噛んでやりました。
　それ以来口の中に指も舌も入って来ないので安心です。

　この日もこの人は隣にいて、強制的にごはんを食べさせられる。そのせいで食べる量が通常に戻ってしまったんです。本当に迷惑です。

　でも、今日のメニューはお肉で油物に気持ち悪くなってしまいました。

「もしかしてつわりかな？」

「…知りません」

「でも、気持ち悪いならお肉はやめてさっぱりしたものでもいいから食べて」

　そんな言葉と共にお肉が下げられたのでラッキーです。

　ごはんとお味噌汁、サラダや豆腐だけを食べて食卓を離れると、待ってましたと言わんばかりに抱きついてきました。

　最近やたら抱きしめてきて子どものようにあやされるんですよね。