1人ぼっちと1匹オオカミ(下)

 母親が父さんと離婚したのは俺が5歳の時。
 父さんは俺のことを本当に大切にしてくれた。

 でも、母親が俺の親権を譲らなかったらしい。

 父さんがいなくなってから、母さんは毎晩飲み歩くようになり、俺はそんな母親の苦労ネタにされ、同情した男から金を貰ってた。
 ほぼそれが生活費。

 そんな生活が続いて、ある日突然今の父親が現れた。
 父親は俺を見るなり母親にプロポーズした。一代発起した社長で、金持ちだった。

 そんな人に母親は食いつかないはずがない。
< 142 / 411 >

この作品をシェア

pagetop