1人ぼっちと1匹オオカミ(下)
しばらく車の窓から外を眺めていると、懐かしい風景が流れて行きます。
たった1か月離れていただけなのに、こんなに懐かしく感じるのはずっと監禁されていたせいでしょうか。
じっと外を眺めていると、家からほど近い公園が見えてきました。
どうしよう行きたくてしょうがないです…。
「よもどうかした?」
「あ、えと…公園で止めてくれませんか?」
「え?いいけど」
輝星さんは首を傾げながらも止めてくれました。
そそくさと車を降りると、変わっていない公園になんだか安心してしまいました。
そういえば神野くんとよくここに来てました。
逃げたり、お話したり…。神野くんに連絡しなきゃです。
輝星さんたちをこれ以上お待たせするのもと、もう一度公園をぐるりと見まわしてから背を向けました。
今度来るときには全部解決していればいいな…。