1人ぼっちと1匹オオカミ(下)
「…お母さん、ちょっと失礼するね?」
一言断ってから様子を窺います。
…あれ、ちょっと待ってくださいね…。これは…。
「晴野、救急車なんか事故現場と遭遇してまだ来れねぇって言ってるんだけど!?」
「はぁ!?」
…結構まずいかもです。
「お母さん、私やってもいい?」
「「はぁ!!?」」
「ごめん、お願い」
「神野くん、雷斗くん、お風呂場からタオルとバスタオルいっぱい持ってきてください」
「マジでやるのか!?」
「当たり前です!多分放っておいても産まれます」
「マジかよ!?」
慌ただしく動き始めた神野くんと雷斗くん。
お母さんは陣痛が激しくなってきたのか話す余裕はなさそうです。
なので勝手にバスタオルを広げてお母さんのスカートも失礼させていただきました。
もう頭が半分くらい見えてます。