1人ぼっちと1匹オオカミ(下)
大荷物は神野くんと雷斗くんが持ってくれたので楽ちんさせてもらいました。
「よもちゃんすごいね」
「何がですか?」
「お産手伝っただろ」
「あぁ…剣人さんに教えられていたんです。それに智希と望亜の時も分娩室に一緒に入ってましたし」
「そうなんだ…」
ほどなくして市民病院につくと、剣人さんが待っていてくれました。
「よも、よくやったな。救急隊も褒めてたぞ」
「剣人さんのおかげです」
「そか?とりあえず来いよ」
剣人さんに案内してもらってお母さんの入院する部屋に連れて行ってもらいました。
「ねーね!」
ドアを開けた途端に走って来た智希はもちろん体当たりで抱きついてきます。
お母さんはベッドで横になっていました。