1人ぼっちと1匹オオカミ(下)

 …そうだ。私は情報屋だ。

 情報が消されているなら、その証拠を見つければいい。
 私が誘拐も監禁もされていないという情報を守ればいいんだ。

「桃!生まれたって…よも!?」

「よもぎちゃん!?」

「よもぎ~!」

 病室に突然入ってきたのは紅葉さん、颯人さん、俊也さんです。

 驚いて呆然としている紅葉さんと颯人さんに対して俊也さんは両手を広げて走ってきました。

「あれ?」

 間抜けな声と共にビターンとお決まりのように転んだ俊也さん。

 ついでに私を俊也さんの前からずらしたのは剣人さんです。

「よも、無事だったのね。心配のよ」

「ご心配おかけしました」

「今までどこに?」

「おい、お前ら…どけ…」

「あ?あんたは床でも掃除しときなさいよ!」

 紅葉さんも颯人さんもわざとですね。
 思いっきり俊也さんを踏みつけています。
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