1人ぼっちと1匹オオカミ(下)
「あの担当の関口って人が多分父親と繋がって、証拠を消しています」
「え?」
「晴野は監禁されてたんだぞ。普通に警察に探させて、なんでいなくなったのか聞かれてみろ。監禁していたことがすぐにばれて、捕まるだろ。だから、警察は父親が晴野を探してるなんてこと、知るはずねぇんだよ」
神野くんの言う通りですね。雷斗くんはぽかんとしてしまっています。
「で、晴野これからどうする」
「…とりあえず、あてがあるので協力をお願いしに行きます。でも、とりあえず今日は謝りに行かないと」
「…そか」
神野くんは分かったんでしょうか。
すこし複雑そうな顔をしています。
「あ、後私自身が動くと厄介なので、実際に動いてもらうのは知り合いにお願いします」
「知り合い?ってどんな?」
復活した雷斗くんが首を傾げる横で、神野くんが噴き出すのを懸命に堪えていました。
表現のしようがないんだから仕方ないじゃないですか!
雷斗くんにはっきり言えるほど、私のメンタルは出来上がっていません。
チラッと神野くんを睨むと、何とか吹き出すのを堪えたようで、苦笑いをされてしまいました。